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働き盛り襲う心臓突然死 ストレス引き金…心身管理が大切(産経新聞)

 プロ野球の巨人、阪神のエースとして活躍した小林繁さんが今月17日、心不全のため57歳の若さで急死した。近年増えている働き盛りの突然死。失業や配置転換などによるストレスが原因ともいわれる。特に突然死の原因の多くを占める心臓突然死について、日本医療学会常任幹事会議長の笠貫宏・早稲田大理工学術院教授は「心臓の病気は心身症と言われるほど心理社会的な因子が発症に影響している」と注意喚起している。(太田浩信)

 ◆強烈な数字

 一般に突然死は、24時間以内の予期しない内因性の死亡を指す。総務省消防庁が発表した心肺機能停止傷病者についての調査結果によると、平成19年に救急車で運ばれた心肺停止状態の患者は10万9461人。このうち、5万9001人は心臓が原因。笠貫教授は「この数字は私たち心臓突然死を専門に研究している者にとって強烈な数字。それまで一般に自殺者と同じ程度で年間3万人ほどとされていた」と話す。

 心臓は1分間に平均60回余、1日10万回動き、1回に100ccの血液を体中に送り出す。その心臓が5〜10秒休むと脳が酸素不足となり、めまいが起こる。10〜15秒経過すると意識を失い、数分で脳に不可逆性の変化が起こり始め、10〜15分で死に至る。

 動きが止まる原因は、心臓がけいれん状態となる心室細動と静かに動かなくなる心室静止があり、心臓突然死全体の8〜9割を心室細動が占める。心停止状態を引き起こす病気で一番多いのが心筋梗塞(こうそく)。このほか、心筋症や冠動脈疾患、いわゆる“ぽっくり病”と呼ばれるブルガダ症候群などがある。

 ◆適切処置を

 心身医学の立場からみると、肉体的、精神的なさまざまなストレスが心臓に大きな影響を与える。笠貫教授は「心臓突然死をみるとき、心と体の問題が大切で、予知、予防では動脈硬化、心身管理などのリスクがいわれる。最終的な発症の引き金になるのはストレスともいえ、急性ストレスだけでなく、慢性ストレスが心臓突然死に深く関係してくる」と指摘する。

 こうした心臓突然死も「予知、予防できるものがかなりある」という。

 しかし、国内の検診の実態は心臓に関する項目が少なく、がんなどに関係する項目が中心。笠貫教授は「問診、聴診をしっかり行うことが大切なのに残念。心臓をどう診るかで次のステップの検査、超音波やエコー検査や運動負荷心電図、さらに冠動脈の造影検査など次の検査に進むところがなかなかできていない。診断がつけば治療や体内埋め込み式の除細動器などの予防が行える」と憂う。

 日本医療学会では「心臓突然死ZERO!アクション」と名付けた国民運動を展開。笠貫教授は「心臓突然死の5万9千人のうち約2万人は倒れた際に目撃者がいる。救急車を呼ぶまでに心臓へのマッサージ、AED(自動体外式除細動器)などの適切な心肺蘇生(そせい)の処置を行えば40%の人が助かる。だが実際には500人にしかAEDが使われていない。心臓突然死が一般に認識されていないためだ」と運動の普及を訴える。

                   ◇

 ■小林さんも心不全

 ついさっきまで元気だった人たちの命を奪う突然死。心筋梗塞をはじめとする心臓に起因する病気や脳出血などの脳に起こるもの、肝硬変など消化器疾患が主な原因とされる。急死した小林繁さんの死因も心不全と発表された。

 小林さんは17日午前、福井市の自宅で体調不良を訴え、搬送先の病院で帰らぬ人となった。昨季まで日本ハムファイターズの2軍投手コーチとして手腕を振るい、1軍投手コーチに就任したばかり。前日には日ハム本社で行われたイベントで顔を合わせた梨田昌孝監督とキャンプの構想を話したばかりだったという。

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